概要

出版社メディックメディア
ページ数1500/冊
価格11,800円/冊
改訂毎年
分野7冊
amazon

解説

 医師国家試験の過去問集であり、解説の最も詳しい問題集である。毎年改訂され、過去10回分の国家試験問題を中心に収録されている。予備校の問題集に比べて解説・図表の多さが特徴であり、1問で多くの知識を得ることができる。また、類題の出題回数も表示されており、重要度を意識しながら解くことができる。解説では、疾患の全体像が分かる「over view」、「国家試験のポイント」が記載され、知識が定着しやすい。
 問題がランダム化されたQB onlineを利用することができる。問題集をやっているとどうしても疾患が想像できてしまうので、このシステムの利用価値は高い。
 毎年改訂されると言っても、必ずしも最新版を買う必要はない。早い人で5年生から使い始めるが、当然その時に買ったものは自信の国家試験受験時には1年遅れになるが、それはそれで全く問題ない。1-2年前のものを買って、直近の1-2年分はその年の過去問を買えばより多くの問題にあたることができる。ただし、公衆衛生だけは最新のものを揃える必要がある。

構成

 2014年版までは、メジャー科目では本の前半部分に臨床問題、後半部分に一般問題、マイナー系科目では前半部分に総論、後半部分に各論という構成だったが、2015年版より構成が大幅に変更された。疾患ごとに臨床問題→一般問題の流れとなり、総論的な内容は最後にまとめられている。
 A:消化管を例にとると、食道癌(臨床→一般)→GERD(臨床→一般)→…という流れの後に、食道疾患の総論的な一般問題という構成になっている。以下、胃・十二指腸疾患、腸疾患、腹膜・腹壁疾患も同様の構成で、解剖・生理や症候などの消化管全体の総論的内容は一番最後のページとなった。
 どの科目でも、各疾患に関する問題数問の前に疾患のまとめが掲載されているので、臨床問題に取り組む際に先入観が入ってしまうかもしれない。このような先入観を防ぐためにQB onlineが有効である。
 問題の難易度・重要度を考慮して1週目問題というものが設定されている。詳しい割合はわからないが、全問題の6〜7割の印象。5年生のポリクリ中や国試最後の確認など、時間や用途に合わせて使用することができる。

分類

 vol.1〜7の合計7巻あり、1〜3がメジャー、4が小児産婦、5がマイナー、6が公衆衛生、7が必修となる。1〜5は予備校の問題集で代用可能であるが、公衆衛生・必修は代用が効かないので、必ず購入する必要がある。
必修は予備校の問題集の質が低いので、これもクエバンに頼ることとなる。しかし、必修に関してはvol.1〜6で出てきた問題の再掲がほとんどなので、使用しなくても合格することはできる。必修編の価値としては、必修問題をまとめて解くことで、必修的な考え方を養う点にあると思う。

vol.6公衆衛生

 公衆衛生対策には必要不可欠である。2014年版は632問が収録されており、そのうち40問は予想問題である。毎年11月辺りに最新刊が発売される。できればサブノートが欲しいが、時間の無い人はQB公衆衛生のみでもなんとか合格ラインに達することができる問題集である。
 公衆衛生は制度の改定が頻繁に行われるので最新刊を買うことが必須である。しかし、発売日が11月なので、卒試対策などで公衆衛生を勉強したい人は前年や2年前のものを中古で買うとよい。公衆衛生に関しては前年の問題集は価値が低いのでかなり安く買えると思う。そして、11月になったら新たに最新刊を購入する。
本番までに3週はしたい。

vol.7必修

 実質唯一の必修対策問題集。QB本編の再掲が多いため、時間の無い人は最悪後回しにしてもよい。ただ、予想問題がある点、巻頭カラー医療器具セレクションにて医療器具の紹介がかなりの点数されている点には価値があると思う。108回試験では必修に関しては医療器具の写真は役に立たなかったが、I問題にて尿素呼気試験の器具がわかっていると説きやすい問題があった。器具の写真を見ておくと点数のプラスにはなると思う。

有用性

  • 1冊の掲載情報量では1である。また、病気がみえる?の図表も挿入されており、改定ごとに見易さが増している。
  • とにかく一冊で国家試験の対策を終わらせたいという人にとっては最適な問題集。信頼度は高い。
  • QBを使用しない人でも、公衆衛生と必修篇は買っておいたほうがよい。

使い方

 情報量が多いだけに何周もすることが必要。初めから全部覚えようとするのはなかなか困難である。1週目問題から徐々に進めて、周回を進めるごとにおぼえる範囲を増やしていくなど、自分なりのペース配分が必要。
5年生で1週目問題、6年生卒試前までに全問題1周、国家試験前までに全問題2週が最低ラインであると思う。

短所

 敢えて短所を述べるとすれば、99回まで出題されていたK2、K3タイプの問題も選択肢の並び方そのままに「2つ選べ(3つ選べ)」と編集しているため、答えの見当がついてしまうことであろうか(例えばaが○、bが×とわかると、c〜eの選択肢を吟味するまでもなくa,e(a,d,e)が答えではないかと推測できてしまう)。

コメント

コメントはありません。 コメント/クエスチョン・バンク?

お名前: