概要

非常に難易度が高く、MECの総評では「ここ10年で最難関」とさえ評された。また、それほどメジャーでもないテーマが何回も出題されるなど、問題の偏りも見られた。
107回と比べると、icripにおける議論では108回は圧倒的に割れ問が多く、教科書で調べても答えの出ない問題も散見された。また、必修パートにおいて、必修で出すべき問題かどうか疑問符のつくものもあった。

何回も出題されたテーマ

  • 加齢黄斑変性
  • 下腿の限局した疾患
  • 水腎症の治療
  • 片頭痛と緊張性頭痛の鑑別

物議を醸した問題

C-12

頭部にみられる病的所見はどれか。
a asterixis
b clubbing
c gynecomastia
d nystagmus
e scoliosis

必修の項で供述済。

C-18(必修)

2歳男児。水痘罹患6日目。再診した。現在の皮疹で多いものは?
a 丘疹
b 水疱
c 痂疲
d びらん
e 苔癬化

答えはc痂疲。しかし、罹患6日目では水疱と痂疲が混在する。イヤーノートでは同じぐらいの割合の表記があり、非常に紛らわしい問題である。再診というところの文脈を読んで痂疲にするぐらいしか思いつかない。必修で出すべき問題ではない。

c-23(必修)

43歳男性。乾性咳嗽と喘鳴を主訴に来院。6週間前に感冒に罹患。症状は軽快したが、4週間前から夜間と早朝に悪化する乾性咳嗽が出現。半年前から胃潰瘍と高血圧あり。H2ブロッカーとCa拮抗薬を内服している。心音に異常なし。胸部にwheezesを聴取。
対応として適切なのはどれか。
a 利尿薬内服
b 降圧薬中止
c 抗菌薬内服
d 副腎皮質ステロイド内服
e プロトンポンプ阻害薬内服

答えはd。問題文がGERDと紛らわしかったようである。

D-13

3年前から転びやすくなった68歳男性。筋強剛と立ち直り反射を認めるが振戦なし、東部MRIで異常なし。

a Parkinson病
b 多系統委縮症
c 正常圧水頭症
d 進行性格上性麻痺
e 大脳皮質基底核変性症

答えはa。パーキンソンで振戦が出ない確率とPSPでMRIに所見がみられない確率を知らないと回答できない。受験生レベルを超えている。

D-20

8歳男児。学校へ行きたがらない。成績は中程度。書字が苦手。友人関係に問題なく運動も普通にできる。手先は不器用であるが、神経学的診察に異常を認めない。
誤っているのはどれか。

a 男児に多い
b 知能は正常範囲であることが多い
c ADHDの合併が多い
d 聖人までに症状は持続することが多い
e 作業に真剣に取り組ませると所持は改善することが多い

答えはeが濃厚。厳しく指導すれば余計にストレスが溜まってしまう。

E-32

免疫グロブリンでサブクラスがあるのはどれか。二つ選べ。
a IgA
b IgD
c IgE
d IgG
e IgM

答えはa,d,e。3つあるので不適切問題。さすがにこの問題を出題ミスしてはいけない。

F-23(必修)

33歳1回経妊1回経産婦。妊娠28週の切迫早産。内子宮口の楔状開大を認める。
治療薬として適切なものはどれか。

a 硝酸薬
b α刺激薬
c β2刺激薬
d 抗コリン薬
e 副腎皮質ステロイド

答えはc。しかし、サーファクタント産生を考慮してステロイドを選択した受験生が半数いた。結局、β2刺激薬=塩酸リトドリンということを知っているかどうかという点だけであり、必修のしかも臨床問題で出す問題かどうか疑問が残る。

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