法医学の教科書で最も詳しいものである。詳細な記載にとどまらず、各執筆者の貴重な事例写真が添えられていることもポイントが高い。そして、単なる図解に留まらず、血液型・親子鑑定の理論を理解するのに助けになる図や表、頭部外傷、窒息、ショック等の病態を理解するために工夫されたフローチャート等があり、暗記しづらい分野に工夫がなされている。
記載内容は十分すぎるぐらいであるが、法医学自体がマイナーな科目なので、もう少し簡単な教科書を用いてもいいかもしれない。
・「法医学」編として、生体の法医学、死体の法医学、ならびに物体検査に関する知識について、最新の知見を取り入れながらわかりやすく解説し、さらには「医事法」編として、医療をめぐる各種の問題について詳説している。
・各項目の始めにあった「学習目標」に加えて「観察のポイント」または「検査のポイント」が新設され、それぞれの項目における重要な点がより明確にされている。
・欄外コラムとして「SIDE MEMO」も新設されるなど,学生にとって非常に親しみやすく、使いやすい教科書となっている。
・医事法に2割のページを割いている点も法医学の教科書にあっては特異である。
書名 | 著者 | ページ数 | 出版社 | 発売日 | 価格 | Amazon |
標準法医学・医事法学 | 石津日出雄, 高津光洋 | 454 | 医学書院 | 2006/09 | 6,195円 | ○ |