朝倉内科学
朝倉内科学
ハリソン内科学
ハリソン内科学

解説

朝倉内科学ハリソン内科学は臨床医学の本格的な教科書として有名であり、多くの医学生はこの2冊のうちどちらを手元に置くかで悩む。非常に高価な本であるため、両者の特徴をしっかりと把握して、自身の用途に合ったものを選んでいきたい。ちなみに、2冊買うのはあまりお勧めできない。1冊3万円の網羅系教科書を2冊持っていたところで、価格に見合った活用はできないだろう。

テキストと図の分量

では、両者の比較であるが、まずは分量が違う。ハリソン内科学のほうが多い。ページ数だけでなく、1ページの記述量も多いため、単純な記述量は1.5倍ぐらい多いのではないかと感じる。
その一方で、朝倉内科学ではビジュアル面に優れている。しかし、過度の期待は禁物である。病態生理できった内科学のような図を期待してはいけない。朝倉内科学でも、主体はあくまでテキストである。小さな挿絵があるくらいである。きちんと図を見て理解しようとしたら、[[簡易的教科書にあるような教科書が必要である。
ちなみに、朝倉内科学は1ページがぺら]]ぺらしてて薄いので、分冊版もあり持ち運びに向いている。

内容量としては、
朝倉内科学→内科学全体をさらっと記述した
ハリソン内科学→内科学全体を深く記述した

ぐらいのイメージである。朝倉内科学だけで全ての授業に対応するのには難しい情報量であるが、医師国家試験のEssential Minimumは十分に満たしている。

国家試験との相性

朝倉内科学のいいところは、ハリソン内科学と比べると医師国家試験対策に向いているというところである。朝倉内科学は国家試験の内容を踏まえた改定が行われており、医学生の間は利用効率が高いと感じる。さらに、STEPシリーズ朝倉内科学を基準に編集されており、簡易的教科書との相性もいい。
ハリソン内科学は、前述した分量の多さや、内容が欧米基準であることから、日本国内の医師国家試験には向かない。例えば、ハリソン内科学では朝倉にはない「原発巣の不明の転移性癌」という項目まである。研修医になったら使えるが、ここまで詳しいものは医学生時代には使いこなせないかもしれない。ただ、レポートの時に参照するには心強い分量である。

朝倉とハリソンの比較データ

項目朝倉内科学ハリソン内科学
出版社朝倉書店MEDSi
発売日2007/092009/12
価格29,925円31,290円
ページ数21053326
冊数52
詳しさ☆☆☆☆☆☆☆☆☆
用途定期試験、医師国家試験定期試験、研修時
持ち運び×
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アンケート

#tvote("両方使う[70]","朝倉内科学[69]","ハリソン内科学[46]","両方いらない[35]")

コメント

最新の50件を表示しています。 コメントページを参照

  • ハリソン派。朝倉は索引がだめ。疾患の解説もムラがある -- 2013-03-11 (月) 20:56:00
  • 東大理3生です。東大はハリソン派。でも私は両方。 -- 2013-03-11 (月) 20:56:21
  • 教科書は、記述を比較しながら何が正しいか自分で探索していくことにも意味があるし、まず「どちらか1冊に絞る」という二元論自体、どちらか全てが正しいという前提なので、誤謬が生じます。 -- 2020-02-29 (土) 16:57:21
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