概要

出版社朝倉書店
著者600名
ページ数2534
出版年2017年4月11日
価格28,944円
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解説

 内科分野の全てを網羅し、医学を学ぶ上での柱となる教科書である。医学生の間では「朝倉内科学」と呼ばれ、絶大な支持を得ている。簡潔な記述と高い網羅性により、ハリソン内科学と並ぶ内科学総合教科書となっている。ハリソンと比べると図や表が多く、フルカラーであるためビジュアル面に優れている。2009年に第9版が出版され、より洗練された内容となった上、教科書的なレベルを超えるものが削減されて読みやすくなった。2017年に第11版が出版され、デジタル付録がつくようになった。
 周りを見渡した感じ、使う使わないにせよ、とりあえず手元に朝倉内科学を置いておくといった人は多い。
 朝倉内科学のコンセプトとしては「内科学全般をさらっと記述した」といった感じである。私も勘違いしてしまったが、これだけ分厚い教科書を見ると「医学生が学ぶこと、授業で取り扱うことは全て書いてあるのだろう」と思いがちだが、そうではない。むしろ、掲載分野の多さに比べると、ページ数は少ないと見るべきである。例えば、膵臓の膵嚢胞の辺りは私の大学の授業では詳しく学習したが、朝倉内科学では追いつかず、STEPシリーズ病気がみえるを併用しなければいけなかった。
 しかし、だからと言って本書が不要というわけではない。医師国家試験に十分対応し、最低限必要なこと(いわゆるEssential minimum)を知るために十分に役立つ。また、医師となってからでも自身の専門分野以外の知識を知るために役に立つ。

更新

第11版

  • デジタル付録が初登場。コラム・ノート、図表など。
  • 心身医学、老年医学の項の追加。

第10版

  • 各論冒頭の「新しい展開」にて、第9版以降の進歩と変化を記した。
  • 入選疾患や子宮がんなどの婦人科系疾患、災害避難生活における疾患を追加した。
  • 分冊版にも各巻に総目次を追加した。

Good

  • 著名な執筆者に対しても原稿訂正を行いながら仕上げた一作品。
  • 国家試験によく対応している。
  • 図や表がハリソン内科学文光堂内科学?に比べて最も多い。
  • 改定を追うごとに断然と見やすさが上がっている。
  • 国家試験だけでなく専門医認定試験にも役に立つほどの情報量。
  • ハリソン内科学よりも試験対策に向いている。

Bad

  • 臨床的にあまり有用でない理由の一つには、非常に多岐にわたった疾患が大量に載っているが、「頻度順」ではないことが挙げられる。
  • 情報量が多すぎるため(個人的には多いというより、前段階の説明が少ない)、ある程度知識のある者でないと使いこなせない。

朝倉かハリソンか

朝倉内科学かハリソン内科学か
アンケート

コメント

最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • とりあえずの一冊ということで、臨床講義の始まる前に勝っている人が多い。 -- 2015-03-24 (火) 21:22:28
  • 第12版になって各巻ごとの索引が削除され非常に使いづらい。どういう方針でこんなことしたのか? -- yasq? 2022-09-15 (木) 14:50:59
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