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医師の年収というのは詳しいことはあまり知られていない。日経メディカルオンラインの調査によると、2013年の勤務医平均年収は1477万円(平均年齢45.6歳)であったとのこと。一方、厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、全国平均は1150万円(平均年齢40.8歳)であったとのこと。(参考:https://www.m3.com/open/iryoIshin/article/342580/)
データはあるものの、それぞれの数値にばらつきがありすぎて何歳になったらどれぐらいの給料になるのかが想像しづらい。なので、医歴による年収推移を示し、医学生のみなさんにもよりイメージを持ちやすいようにする。
医学部を卒業すると2年間の初期研修に入る。これは保険診療をするためには義務である。初期研修時の年収は、どの病院もホームページに記載してあるため大変わかりやすい。大学病院か市中病院か、首都圏か地方かにより年収は変わる。首都圏の大学病院であるならば、年収350万〜400万程度となる。東京医科歯科大は月給30万円程度ボーナス無しである。一方、首都圏の市中病院ならば、年収350万円〜550万円程度となる。下限は変わらないが、探せば年収が高めのところもある。これが地方へ行くと年収は上がり、田舎へ行けば行くほど年収が高くなる。青森や北海道などへ行けば、年収は1000万近くにも上るところもある。名古屋に関していえば、比較的都会であるにもかかわらず研修医の待遇は良い。
初期研修が終わると自身の専門分野を決め、新たな病院へ就職する。卒後3年目以降の話である。医局離れが進んでいると言っても、大半の人が入局する。まずは大学病院の給料から見ていこう。後期研修医の大学の給料は20万円〜30万円/月程度である。これに当直代が1万円/回プラスされる。この額は安いと感じると思うし、実際にメディアでも「大学病院の給料はこんなに安いんですよ」と報道される場合がある。しかしそれは間違いである。医者の給料は、大学からもらう給料アルバイト代がプラスされるのだ。後期研修医でも週1〜2回のアルバイトをおこなう。週4日を大学で働き、1〜2日をアルバイトに当てるというスケジュールだ。アルバイトの枠は勤務に組み込まれている。アルバイト代は診療科によって微妙に異なるが、1日8万円程度である。また、大学が抱えている当直バイトに週1回ぐらい行くことも一般的なので、それは4万円程度である。とすると、週1回の日勤/当直アルバイトをすると、月に48万円のアルバイト代を稼ぐことができる。年収は以下のようになる。
項目 | 月給 |
基本給 | 25万円 |
大学当直代 | 4万円 |
日勤アルバイト | 32万円 |
当直アルバイト | 16万円 |
月収 | 77万円 |
年収 | 924万円 |
これは日勤夜勤のアルバイトを1日ずつこなした場合であり、この枠がない場合は年収が落ちる。そのため、800万から1000万円程度が相場と言える。この給料は、1年ごとに微増していく。
一方、市中病院で3年目を迎えるとどうかというと、意外と大学病院より少ないところも多い。これも募集要項を見てもらえればすぐにわかる。市中病院では3年目バイト禁止のところもあり、700万円程度のところも多い。もちろん高給なところも多くあり、都心部でも1200万円〜1500万円の給料をもらうことも可能である。高給な病院は専門病院が多い。
地方に行けば3年目でも1200万円以上をもらえる病院は多い。
卒後6年目以降となるが、この頃になると所属する病院によりだいぶ異なる。大学に残るよりも、市中に出て給料をもらい、1日アルバイトをするといった生活の方がもらえる額は高くなる。
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