300ページ程度に感染症のエッセンスを凝縮した一冊。前半は微生物編、後半は抗菌薬編+抗菌薬マップが別冊の構成となっている。 微生物学から感染症に橋渡ししてくれる。章の説明形態が一定して、また覚えるべきポイントをシステマティック・数的に明示してあるので読み進めやすい。しかし、内容的にこの本だけで感染症の全貌をつかむのは難しい。
個人的には、初学者というよりも、ある程度知識のある者が、復習の際に用いると効果を発揮すると思う。レジデントのための感染症診療マニュアルのまとめのような存在であり、医師国家試験でいうとyear note?のような存在。
・抗菌薬サークル図のも巻末に付いている。
・真菌についてのまとめが素晴らしい。
・基礎的な内容(グラム染色や菌の形態、染色の違いなど)から臨床での抗菌薬の用い方までが、学生が読んでも大変わかりやすい内容となっている。
・、「大野ワールド」を知らない人間がこれを読んでも、歯の欠けた櫛をつかうようなもので、かなり取っ付きにくい。
書名 | 著者 | ページ数 | 出版社 | 発売日 | 価格 | Amazon |
感染症入門レクチャーノーツ | 大野博司 | 274 | 医学書院 | 2006/09 | 3,990円 | ○ |