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#contents *概要 [#lf4a324e] [[クエスチョン・バンク]]否定派の三苫の講義。 かなり分量が多いので、時間のある5年生は使ってもいいかもしれない。 *SELECT [#db941f15] 主に三苫先生が担当するTECOMのメイン講座。病態生理を重視し、問題解説を覚えるのではなく疾患概念を明確にイメージすることに焦点を当てている。「覚えるな。考えろ。」が口癖。 SELECT全体の知識量としては[[クエスチョン・バンク]]に比べたら多くはないが、講義の時間が大量にあり、さらにノートも手書きなので、消費するのには時間がかかる。毎日3単位見るとしておよそ5〜6時間。SELECT臓器別は130単位ぐらいあるので、そのペースだと一通り見終わるのには2か月近くかかってしまう。 **利点 [#kd18b8d2] 病態生理をわかりやすく解説してくれるので、疾患理解が進みやすい。定期試験等の対策では過去問暗記中心になってしまい、「なぜそうなるのか」ということに目を向ける時間が無い場合があるが、そうした分野の導入・復習に最適である。 **欠点 [#u2ee9a71] 医師国家試験を見据えた場合、情報量が不足していると言わざるを得ない。「SELECTで十分。[[クエスチョン・バンク]]は捨てなさい」と言っているが、色々な視点で見た場合少し心もとない。例えば甲状腺機能亢進症の講義であるが、さらっと総論を触れただけで、亜急性甲状腺炎やBasedow秒の細かな治療までは手が回っていない。どちらも頻出事項であるので、これでは国家試験に向けて心もとない。付属問題集も含め、知識量としては[[クエスチョン・バンク]]に劣る。 ***覚えるな。考えろ。 [#r566de63] 「覚えるな。考えろ」に関しても、これを真に受けてしまうと大変なことになる。三苫氏は見事な病態解説で問題の解答を考えながら導いているように見せているが、これは彼の知識が豊富だからである。暗記しているからこそ病態から症状を導き出せているのだ。受験生が真似をしても到底できない。ましてや国家試験の本番で考えながら答えを導いていくなど不可能である。何も知識のない受験生が考えて未知の概念を導き出せるなどよっぽどの天才である。 私が大学受験生時に世界史を習った予備校講師に次のようなことを言われた。 「文化史や思想史などテーマ別の考え方を身に着けようとして専用の問題集を使ったりすると思うけど、重要なのは知識量だからね。知識が豊富にあればどんなテーマにも対応できるよ。」 医師国家試験にも同じようなことが言え、重要なのはとにかく知識量であり、考え方は後からついてくるものである。今更ながらさすが歴戦の大学受験予備校講師だと思うと同時に、競争の少ない医師国家試験の予備校講師とのレベル差を実感してしまった。三苫氏はセンセーショナルな考え方、勉強法をアピールしたかったのであろうが、「果たして自分は本当にその勉強法でやってきたのか?効果が上がるのか?」というところを突かれるとかなり厳しいものがある。108回もの歴史がある医師国家試験の勉強法がここにきて激変するとは考えずらい。やはり一番効率のいい勉強法は、知識を地道に増やして暗記していくことである。 **問題集 [#zd1e6eef] 付属の問題集は明らかに[[クエスチョン・バンク]]に劣る。一言でいえば、解説の質が低い。収録してある問題はクエバンを参考にしているのかほとんど同じであるが、解説に差がありすぎるため、迷っている方はクエバンをメインとして使うことをお勧めする。三苫問題集の解説は、あっさりしすぎているというか、講義を聞いて書き足していかなければ症例の全貌が入ってこないような解説となっている。ただ一方で、内分泌などはやたら解説を長くしているが、これも微妙。非常に見づらく、重要な症候の解説が抜けていたりする。 問題形式は「全て選べ」になっており、選択肢の吟味をするくせがつくので良い。しかし、「全て選べ」が微妙な問題もあり、その辺りは臨機応変に対応していくしかない。 ***小児 [#xb1e5121] 小児の問題は[[クエスチョン・バンク]]と比べて明らかに分量が少ないが、これは総論中心で各論は各臓器別に任せているためである。 **SELECTのデータ [#n7f86d1c] |科目|単位数| |循環器|11| |呼吸器|9| |腎臓|5| |消化器|12| |内分泌代謝|9| |血液|7| |免疫|4| |神経|9| |感染症|5| |産婦人科|11| |小児科|8| |必修の罠|8| |マイナー|27| |画像診断|8| |禁忌|6| ※1単位は60分〜90分 *必修 [#kbabff5a] 問題集の解説がないので復習ができない。 「必修では状態良好、青信号なら経過観察!」これを声高に叫んでいたが、108回で状態良好のコイン問題が出題され、経過観察は不正解となった。 *使い方 [#c07e4f7a] 中堅〜下位層の導入に向いている。もちろん上位の人でも講義を聞くことで新たな発見はあると思うが、時間対効果を考えるとお勧めできない。 ノートを作る際は余白を多くしておいた方がよい。前述のとおり、講義だけでは情報量はかなり少ない。三苫ノートを基本としながら自分の調べたことや問題集を解いて発見したことを書き足していくのがよい。 5年生のうちに講義・問題集を一通り見ておき、6年生になったらその知識をもとにして[[クエスチョン・バンク]]を解いていくと勉強が進みやすい。 *コメント [#k250374d] #comment
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#contents *概要 [#lf4a324e] [[クエスチョン・バンク]]否定派の三苫の講義。 かなり分量が多いので、時間のある5年生は使ってもいいかもしれない。 *SELECT [#db941f15] 主に三苫先生が担当するTECOMのメイン講座。病態生理を重視し、問題解説を覚えるのではなく疾患概念を明確にイメージすることに焦点を当てている。「覚えるな。考えろ。」が口癖。 SELECT全体の知識量としては[[クエスチョン・バンク]]に比べたら多くはないが、講義の時間が大量にあり、さらにノートも手書きなので、消費するのには時間がかかる。毎日3単位見るとしておよそ5〜6時間。SELECT臓器別は130単位ぐらいあるので、そのペースだと一通り見終わるのには2か月近くかかってしまう。 **利点 [#kd18b8d2] 病態生理をわかりやすく解説してくれるので、疾患理解が進みやすい。定期試験等の対策では過去問暗記中心になってしまい、「なぜそうなるのか」ということに目を向ける時間が無い場合があるが、そうした分野の導入・復習に最適である。 **欠点 [#u2ee9a71] 医師国家試験を見据えた場合、情報量が不足していると言わざるを得ない。「SELECTで十分。[[クエスチョン・バンク]]は捨てなさい」と言っているが、色々な視点で見た場合少し心もとない。例えば甲状腺機能亢進症の講義であるが、さらっと総論を触れただけで、亜急性甲状腺炎やBasedow秒の細かな治療までは手が回っていない。どちらも頻出事項であるので、これでは国家試験に向けて心もとない。付属問題集も含め、知識量としては[[クエスチョン・バンク]]に劣る。 ***覚えるな。考えろ。 [#r566de63] 「覚えるな。考えろ」に関しても、これを真に受けてしまうと大変なことになる。三苫氏は見事な病態解説で問題の解答を考えながら導いているように見せているが、これは彼の知識が豊富だからである。暗記しているからこそ病態から症状を導き出せているのだ。受験生が真似をしても到底できない。ましてや国家試験の本番で考えながら答えを導いていくなど不可能である。何も知識のない受験生が考えて未知の概念を導き出せるなどよっぽどの天才である。 私が大学受験生時に世界史を習った予備校講師に次のようなことを言われた。 「文化史や思想史などテーマ別の考え方を身に着けようとして専用の問題集を使ったりすると思うけど、重要なのは知識量だからね。知識が豊富にあればどんなテーマにも対応できるよ。」 医師国家試験にも同じようなことが言え、重要なのはとにかく知識量であり、考え方は後からついてくるものである。今更ながらさすが歴戦の大学受験予備校講師だと思うと同時に、競争の少ない医師国家試験の予備校講師とのレベル差を実感してしまった。三苫氏はセンセーショナルな考え方、勉強法をアピールしたかったのであろうが、「果たして自分は本当にその勉強法でやってきたのか?効果が上がるのか?」というところを突かれるとかなり厳しいものがある。108回もの歴史がある医師国家試験の勉強法がここにきて激変するとは考えずらい。やはり一番効率のいい勉強法は、知識を地道に増やして暗記していくことである。 **問題集 [#zd1e6eef] 付属の問題集は明らかに[[クエスチョン・バンク]]に劣る。一言でいえば、解説の質が低い。収録してある問題はクエバンを参考にしているのかほとんど同じであるが、解説に差がありすぎるため、迷っている方はクエバンをメインとして使うことをお勧めする。三苫問題集の解説は、あっさりしすぎているというか、講義を聞いて書き足していかなければ症例の全貌が入ってこないような解説となっている。ただ一方で、内分泌などはやたら解説を長くしているが、これも微妙。非常に見づらく、重要な症候の解説が抜けていたりする。 問題形式は「全て選べ」になっており、選択肢の吟味をするくせがつくので良い。しかし、「全て選べ」が微妙な問題もあり、その辺りは臨機応変に対応していくしかない。 ***小児 [#xb1e5121] 小児の問題は[[クエスチョン・バンク]]と比べて明らかに分量が少ないが、これは総論中心で各論は各臓器別に任せているためである。 **SELECTのデータ [#n7f86d1c] |科目|単位数| |循環器|11| |呼吸器|9| |腎臓|5| |消化器|12| |内分泌代謝|9| |血液|7| |免疫|4| |神経|9| |感染症|5| |産婦人科|11| |小児科|8| |必修の罠|8| |マイナー|27| |画像診断|8| |禁忌|6| ※1単位は60分〜90分 *必修 [#kbabff5a] 問題集の解説がないので復習ができない。 「必修では状態良好、青信号なら経過観察!」これを声高に叫んでいたが、108回で状態良好のコイン問題が出題され、経過観察は不正解となった。 *使い方 [#c07e4f7a] 中堅〜下位層の導入に向いている。もちろん上位の人でも講義を聞くことで新たな発見はあると思うが、時間対効果を考えるとお勧めできない。 ノートを作る際は余白を多くしておいた方がよい。前述のとおり、講義だけでは情報量はかなり少ない。三苫ノートを基本としながら自分の調べたことや問題集を解いて発見したことを書き足していくのがよい。 5年生のうちに講義・問題集を一通り見ておき、6年生になったらその知識をもとにして[[クエスチョン・バンク]]を解いていくと勉強が進みやすい。 *コメント [#k250374d] #comment
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