腹部診察概要

腹部の診察は、視診→聴診→打診→触診である。腹部硬直を防ぐために、刺激の少ない順におこなっていく。
痛みの場所に配慮しながら診察を行う。

視診

腹部全体をくまなく見ているそぶりを見せる。膝を曲げたり、乗り出したりして、上方から、側方から、対側から観察する。
皮疹、手術瘢痕、静脈怒張、皮膚線条、腫瘤、拍動など。

聴診

腸蠕動音:一か所を30秒聞く(実際のOSCEでは時間が無いので20秒程度で良い)

血管雑音:腹部大動脈

打診

手を温め、手が冷たくないかの声掛けをする。また、痛い場所は最後に打診する。

腹部全体の打診

9箇所
アイコンタクトで痛みの確認

肝臓の打診

肝臓上縁を右鎖骨中線の頭側から確認する
肝臓下縁を右鎖骨中線の尾側から確認する

脾臓の打診

トラウベ三角に濁音界が無いか確認する

触診

膝を曲げた体位にする。痛みの場所は最後に触る。

浅い触診

片手で9か所浅く探るように触る。

深い触診

両手で深く押し下げる。

肝臓の触診

腹式呼吸を指示。呼気のタイミングに合わせて手を押し込む。
掌を下にして肋骨下縁に押し込むようにして肝臓を触る。

脾臓の触診

右側臥位になってもらう。腹式呼吸を指示。
脾臓の下の辺りから手を押し込むように触る。

腹部診察のセリフ

腹部は平坦、皮疹・着色斑・手術痕なし、静脈怒張は認められません。
聴診器が冷たかったら言ってください。
手が冷たかったら言ってください。
どこか痛い場所はありますか?
(打診or触診の前に)膝を曲げてください。

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