胸部診察は、肺の診察と心臓の診察に分けられる。打診、聴診の際の声掛けを忘れないようにする。
試験時間は5分間である。

肺の診察

視診→打診→聴診の順で行われる。また、前胸部と肺部の診察を行う。

前胸部

視診

解剖学的部位、皮膚所見を確認する。:胸骨角、剣状突起の確認
呼吸数の測定:30秒数えて2倍する。

打診

8か所以上打診する。
最初の打診(右鎖骨窩)は親指を当てて叩く。それ以外は中指のDIP関節を叩く。
左右交互に上から下へと打診する。

聴診

深呼吸の声掛け
吸気と呼気での聴診
鎖骨窩はベル型で聞く。
8か所以上左右交互に聞く

背部

視診

解剖学的部位(隆椎、肩甲骨下角)、皮膚所見の確認。

打診

8か所以上左右交互に打診
両側の肺底部の清音と濁音の境界を確認する

聴診

深呼吸の声掛け
8か所以上左右交互に聞く
吸気と呼気で聞く

心臓の診察

視診→触診→聴診の順で行われる。

視診

心尖拍動の確認(正常ではあり、掌)
胸壁拍動の確認(正常ではなし、手の近位部)

触診

心尖拍動→第5肋間鎖骨中線にて、指先と手掌で確認
胸壁拍動→手掌近位部(3か所ぐらい)
スリル→手掌遠位部(4領域)

聴診

膜型で4領域聴診
心尖部はベル型でも聞く。その際に左側臥位になってもらう。

胸部診察のセリフ

(胸骨角・剣状突起を確認しました)
皮疹・着色班・手術痕ありません。
胸郭に変形や左右差を認めません。
呼吸の型は胸腹式呼吸で、リズム・速さ・深さに異常はありません。
呼吸数は○○です。
胸壁運動の左右差ありません。
大きく息を吸ってもらえますか?鎖骨上窩・肋間の吸気時の陥凹ありません。

これから胸を叩いていきますので、手が冷たかったら言ってください。
これから聴診器で胸の音を聞いていきます。大きく深呼吸を繰り返してください。

それでは背中の診察をしていくので後ろを向いてください。
(隆椎を確認しました。肩甲骨下角を確認しました)
皮疹・着色班・手術痕ありません。
胸郭に変形や左右差を認めません。
背中を叩いていくので痛かったら教えてください。

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