STEP外科1
STEP外科1

解説

STEPシリーズの中でもわりと出来がいいものになっている。特に、脳血管障害の辺りは非常にまとまりが良く、理解しやすい。脳外科を語る上では頭蓋内解剖が欠かせないが、本書では解剖図の配置に気を使っているようだ。なんでも、本の冒頭部に解剖図を載せると学生が敬遠してしまうということで、各論の最初に解剖図を持ってきている。実際にそっちの方が復習しやすいし、調べやすい。

前半に外科総論、後半に脳神経外科が書かれている。前半は総論であるため、総称とっつきづらいが、後半は読みやすい。おそらく、本書を購入する学生のほとんどは後半を目当てに買うと思われるので、これでいいと思う。標準脳神経外科学よりもあっさりしているので、とっつきやすい出来となっている。

脳腫瘍、脳血管性障害などの部分は詳しく、神経外科を学ぶには十分である。しかし、神経領域には神経内科もある。そのため、STEP内科1(神経・遺伝・免疫)を併用することがほぼ必須になり、コスト的には結構かさむという欠点がある。

データ

書名著者ページ数出版社発売日価格Amazon
STEP外科1小田行一郎, 小林士郎369海馬書房2007/125,250円

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