免疫学教科書の選び方

 免疫学は暗記量に関してはそれほど多くはないが、複雑な免疫形成機序や聞き慣れない言葉の概念を理解するのに苦労する科目である。例えば、マクロファージの貪食からTh2のサイトカイン産生→抗体産生→オプソニン化といった基本的な流れ一つを取ってみても、初めて目にする人には何が何だか分からないことだと思う。こうした概念を理解するためには、豊富なテキストよりも、分かりやすいイラストが必要である。オプソニン化までの流れだけでなく、リンパ球の分化やMHCによる抗原提示など、免疫学ではイラストを見なければわからないことばかりである。そうしたことを考えると、休み時間の免疫学好きになる免疫学の利用価値は高い。テキスト量は他の教科書に譲るが、イラストの分かりやすさは随一である。試験は、このどちらか一冊のみでも通すことができると思う。以下にして馴染みのない用語を図式化して覚えるかが重要な科目である。
 本格的な教科書として人気があるのは医系免疫学であるが、これは少し詳しすぎる気がする。レポートを書くためには必要となるかもしれないが、テスト対策には向かない。また、大学にもよると思うが、免疫学のレポートは薬理学ほど大変ではない場合が多いようなので、ここまで詳細な記述は要らないかもしれない。テスト対策を考えるとリッピンコット免疫学のまとまりが良く、この本一冊でも十分である。
 臨床では膠原病腎臓と密接に関係する。免疫学自体はあっさり終わらせて、このあたりの臨床科目を学びながら免疫学の復習をするという方法が効率的である。

免疫学の教科書一覧

分類書名詳しさ
和書免疫生物学☆☆☆☆☆
分子細胞免疫学
医系免疫学☆☆☆☆
標準免疫学
エッセンシャル免疫学
医科免疫学☆☆☆
免疫学イラストレイテッド
リッピンコット免疫学
休み時間の免疫学
好きになる免疫学
洋書Janeway's Immunobiology☆☆☆☆☆
Cellular and Molecular Immunology☆☆☆☆
Lippincott's Illustrated Immunology☆☆☆

コメント

コメントはありません。 コメント/免疫学の教科書?

お名前: