整形外科で学ぶこと

 整形外科では、骨・関節・神経の解剖を基礎として疾患を学んでいく。特に、四肢の解剖をよく理解していないと、似たような骨折の名前がたくさん出てきて混乱してしまう。例えば、上腕骨顆上骨折と上腕骨外顆骨折では症状や後遺症が異なるが、障害部位がどこなのかを正確に把握しておかないとどっちがどっちなのか分からなくなってしまう。また、椎間板ヘルニアでは神経根が障害されるが、どの神経根がどの支配領域を持つかを知っておくことで、椎間板ヘルニアの症状を正確に把握することができる。
 とにかく解剖に立ち返って正確に知識を整理しておくことが大切である。

整形外科の選び方

 とは言うものの、整形外科では他科目と違い、1対1の用語の丸暗記になることが多い。他科目では病態生理から症状を導き出すことをしたが、整形外科ではそういったことはあまりない。科目の性質上、どうしても丸暗記になってしまう。「ここが折れたらこの症状が出る」というだけであり、覚えるしかない。
 要点整理系の教科書は、STEP整形外科ぐらいなので多くの人はこれを使っている。ただ、定期テスト対策としては少しボリュームが多いため、国試マニュアル100%を暗記用に使用する人も多い。前述したように、整形外科では単純暗記になることが多いため、このような薄っぺらい本でも何とか凌げてしまう。むしろ多くの人がそのパターンであり、外科系全般に通じる傾向である。ただ、国試マニュアルは古い。
 STEP整形外科が合わない人は、標準整形外科学?を使用していた。ただ、標準整形外科学は、試験対策というよりもレポート作成向けであろう。くれぐれも通読はしないようにしたい。
 近年の情勢としては、ビジュアルブックなる教科書も出版され、手薄な整形外科領域をカバーしてくれている。図説と相性のいい科目なので、選択肢としては十分ありである。

整形外科の教科書一覧

分類書名
簡易STEP整形外科
国試マニュアル100%
チャート7 整形外科?
成書標準整形外科学?
整形外科クルズス
New mook整形外科?
洋書Rockwood, Green, and Wilkins' Fractures
Campbell's Operative Orthopaedics

コメント

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  • 新しいシリーズとして、学研の“ビジュアルブック”というものがあります。現在11冊刊行されており、私は整形外科と耳鼻科を購入しました。良い点は、フルカラーで値段は(多くが)3150円とお得感があります。整形や耳鼻は現在のところ簡易教科書がSTEPぐらいしかないため、新たな選択肢ができたと思います。悪い点はシリーズ共通して、索引が非常に弱いということがあります。例えば、普通の本は日本語でも欧文でも検索できるものですが、本書はカタカナに直さないといけません。英語の読み方を間違えると詰みます。この欠点だけで、初学者に推薦することを躊躇してしまいます。幸い目次の方はちゃんとしているので、一通り勉強したことのある6年生なら快適とは言えないまでも使えると思います。 -- 現6年生? 2012-10-31 (水) 17:31:48
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