概要

 医学部においては部活動は切っても切れない関係である。各部活動の特徴は大学ごとに異なると思うのでじっくりと見極める必要はあるが、注意すべき点は「好きでもない種目の部活動に入らない」ということである。これは当たり前のようであるが、医学部の4月の雰囲気に飲まれて全く興味のない部活動に入ってしまう人は散見される。そして、学生時代の貴重な時間が浪費されてしまう。
 こうした背景には医学部における部活信仰がある。「部活単位で過去問を共有する。部活に入らないと留年しやすい」「研修医になっても上級医と部活の話題で親交を深めていく」等があり、「部活に入らないと駄目な奴」というイメージすらある。こうした考えはもはや時代遅れである。

  • 部活に入らないと過去問が手に入らない、留年しやすい?
    2000年代前半まではもしかしたらその傾向はあったかもしれないが、2010年後半以降は過去問がネット上で共有され、部活間の差異はない。部活による時間の浪費の方が大きい。そもそも、2000年代においても入部者と非入部者での留年率は入部者の方が高い印象すらあった。ただ、正確な統計はないと思うのであくまで印象論である。
  • 上級医コミュニケーションの一環としての価値
    最初だけである。「部活何やってたの」と最初に聞かれてその返しができるというだけ。以降の会話は医療の話になり、勉強していれば会話は弾むし、勉強してなければ「なにやってんの」となるだけ。これはどこの職場、職種でも同じかと思う。そもそも、職場での人間関係を構築していくのは仕事の出来具合が最も重要である。上級医と良い関係を築きたいのであれば勉強するほうがよっぽど時間効率がいい。

 なので、4月の時期には部活のメリットらしきものを全開で伝えられるが、スポーツの練習、友人関係の構築のように、一般的な部活のメリット以外にメリットはない。「留年」「上級医との関係」というような空想上のメリットにつられて興味のないスポーツの部活に入部してしまうととんでもない時間の浪費となってしまう。ありがちなのが、「部活に入らないといけない」という強迫観念から、「少しでも楽な部活に」という思考になり、「楽だから」となって弓道部、卓球部に入るというものである。「いや、あなた弓道全く興味ないでしょ」という突っ込みをしたくなる。興味のない部活で週2-3回の練習を6年間継続できますか?その間、興味がない中でうまく人間関係を維持できますか?となり、その労力はとてつもない。そもそも、そんな興味のない中でうまく立ち回れる人間であれば、わざわざ部活に入らなくても苦労しないでしょ、と。
 なので、医学部では1年時の入部率は非常に高いが、その後の退部率も非常に高い。これも正確な統計はないが、3年後の退部率は30%を超えているのではないだろうか。本当に興味のあるスポーツの部活に入部することをお勧めする。

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