概要

出版社中外医学社
著者松村讓兒
出版日2017年2月3日
ページ数802
改訂3-4年
第9版
価格8,208円
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解説

 中外医学者が発行する解剖学の解説書である。「イラ解」と称される。子供向けのイラストを思わせる模式図がちりばめられている。しかし、その子供向けのイメージとは裏腹に内容は深く掘り上げら、解剖学と臨床事項を関連付けて覚えることができる一冊である。
 一ページに一つのテーマを扱っており、イラストが一つとそれに付随した解説がある。内頸動脈、外頸動脈等の複雑な動脈の分岐などを簡略化して表記してくれているため、アトラスでは覚えづらい箇所も頭に入りやすいようにしてくれている。また、このような箇所には分岐の順番を覚えるためのゴロ合わせも記載されていて、勉強効率が良くなる。さらに、腹部においては鼠径ヘルニアの解説があったりと、臨床と解剖のかかわりを示す内容が多く、早い段階で臨床事項に触れることができる。図に関してはリアル描写ではなく模式図なので、ネッター解剖学アトラスなどのアトラスで確認する必要がある。
 イラ解は神経解剖学に多くのページを割いており(200/600ページ)、神経分野はこれ一冊でも十分である。神経解剖は、伝導路がかなり複雑で覚えづらいため、イラ解の簡略化された模式図が大変役に立つ。ネッター解剖学アトラスを見るだけでは全く理解できないところも分かりやすく解説されている。神経に関しては解剖学講義よりも分かりやすくなっていると思う。イラ解の神経の記述は、解剖学試験だけでなく、臨床医学の神経疾患の際にも役に立つ。
 臨床医学で神経疾患を学ぶ際は、病態生理できった内科学(神経)と合わせて使用すれば、教科書としては完璧な環境になると思う。であるが、、、2019年現在は病気がみえるの方が併用にはいいかもしれない。

Good

  • たくさんの暗記事項をわかりやすく図と表にまとめてくれている。いい具合にデフォルメされている。
  • 試験で出題される図示問題にはこの本で対策するのが最も効率がいい。
  • イメージで損している本の一つ。
  • 筋肉の説明はもう少し多い方がいい。
  • イラストはうまく特徴をとらえており、頭に残りやすい。
  • わかりやすいとは言ってもあくまでもデフォルメされた模式図なので、アトラス等の図説と併用した方がいい。
  • 臨床との関連、血管の分岐が分かりやすく記載されている。
  • 特に、神経解剖の項は秀逸である。
  • 700ページを超えるとは思えないほどポイントを押さえている内容。
  • この本のいいところは色々ありますが、なんといっても「居眠りのときに動く筋肉」といった普段の動きや親しみやすい日常現象を解剖学的に説明しているので、すごくわかりやすいし覚えやすいといった点が挙げられる。

Bad

  • 実習の際に使うのには不向き。自宅での勉強用。

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